2018年発行/全176ページ ■本書序文■ 猿投山は、愛知県の尾張地方と三河地方の境にそびえる名山です。 その西南麓一名古屋市の東方に広がる丘陵地帯には、古代・中世に陶器を焼いた窯の遺跡が無数に点在しています。 これは「猿投山西南麓古窯跡群」一通称「猿投窯」と呼ばれています。 猿投窯は、昭和戦前期までは存在がほとんど知られていませんでした。 昭和29年の本多静雄氏(1898-1999)による「猿投窯の発見」と、昭和30年代の 楢崎彰一氏(1925-2010)らによる愛知用水建設に関連した古窯跡の発掘調査を契機として、 猿投窯は、古代日本屈指の陶器生産地であり、瀬戸焼・常滑焼の源流となった名窯であったことが判明したのです。 愛知県陶磁美術館は、当初は猿投窯資料の保管、研究、展示施設として構想されました。 当館は開館後、陶磁器に関わる様々な展覧会を開催しつつ、猿投窯の愛知用水関連資料 (用水建設に関連した古窯跡出土資料)を大量に保管、所蔵し、基本資料の展示公開を継続して行ってまいりました。 本展覧会は当館の開館40周年を記念して、古代愛知の名窯・猿投窯について、 指定文化財等の優品と重要資料を一堂に集め、高度な技術力に裏付けられた造形美と歴史的意義を、様々な視点から展示紹介いたします。 ■送料について■
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